先頭車 >> 超特急資料室 >> 重要通達・判例集〔労働基準法3〕 |
●労働基準法 | ●労災保険法 | ●健康保険法 |
労 働 基 準 法 3 | 最終更新年月日 2019.10.27 |
第38条の3 専門業務型裁量労働制 関係 | ||||||
1 | 数人でプロジェクトチームを組んで開発業務を行っている場合で、実際上、そのチーフの管理の下に業務遂行、時間配分を行うケースは、専門業務型裁量労働制に該当しない(63.3.14基発150、平12.1.1基発1)。 | |||||
2 | 専門業務型裁量労働制において労使協定で定める時間は、1日当たりの労働時間である(63.3.14基発150、平12.1.1基発1)。
|
|||||
3 | 労使協定において、専門業務型裁量労働制に該当する業務を定め、当該業務の遂行に必要とされる時間を定めた場合には、当該業務に従事した労働者は、当該協定で定める時間労働したものとみなされるものであること。 なお、当該業務の遂行に必要とされる時間は、一般的に、時とともに変化することが考えられるものであり、一定の期間ごとに協定内容を見直すことが適当であるので、当該協定には、有効期間の定めをすることとしたものであり(63.3.14基発150、平12.1.1基発1)、3年以内とすることが望ましい(平15.10.22基発1022001)。 |
|||||
4 | 専門業務型裁量労働制に係る労働時間のみなしに関する規定は、法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用されるものであり、第6章の年少者及び第6章の2の女性の労働時間に関する規定に係る労働時間の算定について適用されないものである。 また、労働時間のみなしに関する規定が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は排除されないものである(63.3.14基発150、平12.1.1基発1)。
|
第38条の4 企画業務型裁量労働制 関係 | |
1 | 通常は非対象業務に従事している労働者が、特定の期間(例えば短期間のプロジェクトを組む場合)に限り対象業務に常態として従事することとなる場合は、その期間について企画業務型裁量労働制を適用しうる。その場合、決議の有効期間内であれば、適用しうる期間に制限はない。(平12.3.28基発180)。 |
2 | 労働者派遣法第44条に第38条の4に関する規定がない以上、派遣労働者に企画業務型裁量労働制を適用することはできない(平12.3.28基発180)。 |
第39条 年次有給休暇 関係 | ||||||||||
1 | 今後における本条の解釈は左記最高裁判決(48.3.2)によって行う。
|
|||||||||
2 | 継続勤務とは在籍期間をさし、継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものであり、例えば定年退職後の嘱託勤務、法第21条各号該当者、一定月ごとに契約更新して6箇月以上に及んでいる臨時工等でその実態よりみて引き続き使用されていると認められる場合には、勤務年数を通算する(63.3.14基発150)。
|
|||||||||
3 | 負傷又は疾病等により長期療養中の者が休業期間中年次有給休暇を請求したときは、年次有給休暇を労働者が病気欠勤等に充用することが許されることから、このような労働者に対して請求があれば年次有給休暇を与えなくてはならない。休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができない(24.12.28基発1456、31.2.13基収489)。
|
|||||||||
4 | 年次有給休暇は、一労働日を単位とするものであるから、使用者は労働者に半日単位で付与する義務はない(24.7.7基収1428、63.3.14基発150)。 | |||||||||
5 | 入社後6箇月目8割以上、6箇月から1年6箇月に8割未満、1年6箇月から2年6箇月に8割以上出勤者に対しては、2年6箇月継続勤務で12日の有給休暇を付与するものである(平6.1.4基発1、平11.3.31基発168)。 | |||||||||
6 | 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。 したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。 なお、次に掲げる場合については全労働日に含まれないものとする。
|
|||||||||
7 | 6週間以内に出産する予定の女性が、法第65条の規定により休業したところ、予定の出産日より遅れて分娩し、結果的には産前6週間を超える休業は、出勤したものとして取扱う。生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求して就業しなかった期間は労働基準法上出勤したものとはみなされないが、当事者の合意によって出勤したものとはみなすことも、もとより差支えない(23.7.31基収2675)。
|
|||||||||
8 | 20日の年次有給休暇を有する労働者を解雇する場合には、当該20日間の年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り、使用者は当該労働者の解雇予定日をこえては時季変更権を行使できない(49.1.11基収5554)。 | |||||||||
9 | 派遣中の労働者の年次有給休暇について、本条の事業の正常な運営が妨げられるかどうかの判断は、派遣元の事業についてなされる。派遣中の労働者が派遣先の事業において就労しないことが派遣先の事業の正常な運営を妨げる場合であっても、派遣元の事業との関係においては事業の正常な運営を妨げる場合に当たらない場合もありうるので、代替労働者の派遣の可能性も含めて派遣元の事業の正常な運営を妨げるかどうかを判断することとなる(61.6.6基発333)。 | |||||||||
10 | 年次有給休暇の権利は法115条により2年間の消滅時効にかかるが、民法147条による裁判上の請求があれば時効中断の効力が生じる(23.4.28基収1497、23.5.5基発686)。 | |||||||||
11 | 本条の「労働日」は原則として暦日計算によるべきものであるから、一昼夜交替制の如き場合においては、一勤務を二労働日として取扱うべきである。また、交替制における2日にわたる一勤務及び常夜勤勤務者の一勤務については、当該勤務時間を含む継続24時間を一労働日として取扱って差支えない。 なお、交替制勤務の場合で、番方交替日に連動を行い、一暦日に長時間勤務をする場合については、その日の所定労働時間の長さにかかわらず、一労働日として取扱うこと(26.9.26基収3964、63.3.14基発150)。 |
|||||||||
12 | 本条第3項の適用を受ける労働者が、年度の途中で所定労働日数が変更された場合、休暇は基準日において発生するので、初めの日数のままである(63.3.14基発150)。 | |||||||||
13 | 計画的付与の場合には、第39条第4項の労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権はともに行使できない(63.3.14基発150)。> | |||||||||
14 | 事業場全体の休業による一斉付与の場合、年次有給休暇の権利のない者を休業させれば、その者に、休業手当を支払わねば法第26条違反となる(63.3.14基発150)。 | |||||||||
15 | 計画的付与は、当該付与日が労働日であることを前提に行われるものでり、その前に退職することが予定されている者については、退職後を付与日とする計画的付与はできない。したがって、そのような場合には、計画的付与前の年休の請求を拒否できない(63.3.14基発150)。 | |||||||||
16 | 計画的付与における五日を超える部分には、前年繰越分も含む(63.3.14基発150)。
|
|||||||||
17 | 変形労働時間制を採用している事業場における時給制労働者の変形期間中における本条の通常の賃金は各日の所定労働時間に応じて算定される(63.3.14基発150)。 | |||||||||
18 | 年次有給休暇の賃金を支払うこととしながら、その支給額を基本経費に加算して運収額から差し引くという運収還元制は、実質的に年次有給休暇の賃金を支払ったことにならない(63.3.14基発150)。 | |||||||||
19 | 年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はない。また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協定に基づく計画付与が行われた場合には、当該日に年次有給休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要の賃金支払の義務が生じる(平3.12.20基発712)。 |
第41条 労働時間等に関する規定の適用除外 関係 | |||||||||
1 | 「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである(22.9.13基発17、63.3.14基発150)。
|
||||||||
2 | 監視に従事する者とは、原則として、一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、常態として身体又は精神的緊張の少ないものをいい、交通関係の監視、車両誘導を行う駐車場等の監視等精神的緊張の高い業務、プラント等における計器類を常態として監視する業務、危険又は有害な場所における業務は許可しない(22.9.13基発17、63.3.14基発150)。 | ||||||||
3 | 断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少ないが手待時間が多い者の意であり、その許可は概ね次の基準によって取り扱う。
|
||||||||
4 | 本条は第4章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日の規定を適用除外としているものであり、深夜業の関係規定(第37条の関係部分及び第61条の規定)は適用が排除されない。 したがって、本条により労働時間等の適用除外を受ける者であっても、第37条に定める時間帯に労働させる場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければならない。 ただし、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない(63.3.14基発14、平11.3.31基発168)。 |
||||||||
5 | 宿直又は日直については、常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるもので、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可されるが、原則として、通常の労働の継続は許可しない。宿直勤務1回についての宿直手当(深夜割増貸金を含む。)又は日直勤務1回についての日直手当の最低額は、原則として当該事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金の1人1日平均額の3分の1を下らない。 許可の対象となる宿直又は日直の勤務回数については、原則として宿直勤務については週1回、日直勤務については月1回を限度とする(22.9.13基発17、63.3.14基発150)。
|
||||||||
6 | 宿直勤務とは、当該事業場に宿泊して行う定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態の発生に対処するための準備等を目的とする勤務をいう。また、始業又は終業時刻に密着して行う短時間(おおむね4時間程度未満)の監視又は断続的な労働は、日直勤務としても許可すべき限りでない (43.4.9基収797)。 | ||||||||
7 | 石油コンビナート等災害防止法に基づく防災組織の防災要員である機関員については、同法の趣旨にかんがみ、原則として法第41条第3号の許可をすべきでない(54.1.8 53基収924、63.3.14基発150、平11.3.31基発168)。 |
第65・66条 産前産後 関係 | ||||||
1 | 出産とは妊娠4カ月以上(1カ月は28日としい計算する。したがって4カ月以上というのは85日以上のことである。)の分娩とし、生産のみならず死産(人工妊娠中絶は含まれる。)も含む(23.12.23基発1885、26.4.2婦発113)。 | |||||
2 | 出産当日は産前6週間に含まれる(25.3.31基収4057)。 | |||||
3 | 法第65条第3項は原則として女性が請求した業務に転換させる趣旨であるが、新たに軽易な業務を創設して与える義務まで課したものではない(61.3.30基発151・婦発69)。
|
|||||
4 | 時間外労働若しくは休日労働についてのみの請求又はそれぞれについての部分的な請求も認められ、使用者はその請求された範囲で妊産婦をこれらに従事させなければ足りる。また、妊産婦の身体等の状況の変化等に伴い、請求内容の変更があった場合にも同様である。 妊娠中の女性については、法第66条に基づく請求及び法第65条第3項に基づく軽易業務への転換の請求のいずれか一方又は双方を行うことを妨げるものではない。 妊産婦のうち、法第41条に該当する者については、労働時間に関する規定が適用されないため、法第66条第1項及び第2項の規定は適用の余地がないが、第3項の規定は適用され、これらの者が請求した場合にはその範囲で深夜業が制限される(61.3.20基発151婦発69)。 |
第89〜93条 就業規則 関係 | ||||||
1 | 記載を要する事項の一部を記載しない就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効である。但し当該就業規則を作成し届出ても使用者の同条違反の責は免れない(S25.2.20基収276、H11.3.31基発168)。
|
|||||
2 | 習慣も当該事業場の労働者のすべてに適用されるものである限り当然記載しなければならない(23.10.30基発1575、H11.3.31基発168)。
|
判例 使用者が、労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条所定の書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該事業場に適用される就業規則に右協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して時間外労働をさせることができる旨を定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて時間外労働をする義務を負う。 ■[最、35.3.11 細谷服装事件] 他の参照条文:32・36条 |
|||||
判例 使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によって、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。 ■[最43.12.25 秋北バス事件] |
|||||
判例 1.使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種類および事由を定めておくことを要する。 2.就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずるためには、その内容を、適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する。 ■[最H15.10.10 フジ興産事件]
|
第114条 付加金の支払 関係 |
判例 労働基準法第114条の附加金支払義務は、使用者が予告手当等を支払わない場合に当然に発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命ずることによって、初めて発生するものであるから、使用者に労働基準法第20条の違反があっても、すでに予告手当に相当する金額の支払を完了し、使用者の義務違反の状況が消滅した後においては、労働者は、附加金請求の申立をすることができないものと解すべきである。 ■[最、35.3.11 細谷服装事件]
|
労災保険法 >> |