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第41回(平成21年)試験問題から   【択一式問題】
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一   般   常   識
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〔問1〕〜〔問5〕は、労務管理その他の労働に関する一般常識

〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 平成19年12月、政労使の代表者からなる、政府の「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が取りまとめられた。
 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」において、仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民1人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」である、とされている。
 「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、仕事と生活の調和した社会の実現に向けた企業、働く者、国民、国及び地方公共団体の取組を推進するため、政策によって一定の影響を及ぼすことができる項目について数値目標が設けられており、例えば、2017年の目標として、年次有給休暇取得率については完全取得、男性の育児休業取得率については10%となっている。
 平成20年3月1日から施行されている労働契約法において、労働契約の原則が第3条に規定されているが、同条第3項において、「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。」とされている。
 平成20年4月1日から施行されている改正労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第4条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は事業主等に対して、労働時間等の設定の改善に関し、適切に対処するために必要な事項について改善命令を発することができるようになった。

問1解答


〔問〕  最低賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、この問において「法」とは「最低賃金法」のことであり、「労働者派遣法」とは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」のことである。
 法第3条において、「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間又は日によつて定めるものとする。」と定められている。
 法第9条2項において、「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに企業収益を考慮して定められなければならない。」とされ、同条第3項において、「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」と定められている。
 労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣中の労働者については、平成21年4月1日以降に派遣する場合、法第13条の規定により、当該派遣元の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される。
 法第8条において、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と周知が義務化されており、法第41条第1項において、法第8条に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)に対する罰則が定められている。
 法第34条において、監督機関に対する申告が規定されており、同条第1項において「労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は公共職業安定所長に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。」と定められ、同条第2項において「使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定められ、法第39条において、法第34条第2項の規定に違反した者に対する罰則が定められている。
問2解答


〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、この問において、「青少年白書」とは内閣府「平成20年版青少年白書」のことであり、以下において、「労働経済白書」とは厚生労働省「平成20年版労働経済白書」のことである。
 青少年白書によれば、平成19年(年平均)の15〜29歳の青少年人口は2,142万人で、このうち約6割が労働力人口で、これを年齢階級別に前年に比べると、15〜19歳、20〜24歳、25〜29歳のいずれも減少している、としている。
 労働経済白書によれば、いわゆるフリーターの推移をみると、2003年にピークを迎えた後、新規学卒者の就職状況が改善したこともあり徐々に減少したが、滞留傾向が懸念される年長フリーターが引き続き課題となっており、また、若年無業者(15〜34歳の非労動力人口のうち、家事も通学もしていない者)の推移をみると、2007年は162万人と、前年に比べて大幅に増加した、としている。
 青少年白書では、厚生労働省の雇用動向調査によると、平成19年中に事業所規模5人以上の事業所から離職した30歳未満の青少年労働者の離職率は全労働者の離職率より高くなっている、とし、また、厚生労働省の新規学校卒業者の就職離職状況調査によって在職期間別離職率をみると、平成17年3月卒業者の就職後3年間の離職状況は、中学校卒業者では就職者全体の66.7%が、高等学校卒業者では47.9%が、大学卒業者では35.9%がそれぞれ離職している、としている。
 労働経済白書では、初めて就いた仕事を辞めた理由を、内閣府「青少年の社会的自立に関する意識調査」よりみると、男女とも各年齢階級において「仕事があわない、またはつまらないから」とする者の割合が高く、また、2番目に高い割合となっているのは「人間関係がよくないから」であるが、後者については、おおむね男女とも年齢が低い層において高い割合となっている、としている。
 労働経済白書では、(株)UFJ総合研究所「若年者のキャリア形成に関する実態調査」により、35歳以下の若年者について、学校生活を通じてもっと教えて欲しかった内容をみると、正社員やパート・アルバイト等で働く者は「職業に必要な専門的知識・技能など」、「社会人としてのマナー」、「各職業の内容」などの項目で割合が高くなっている、としている。
問3解答


〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、この問において、「働く女性の実情」とは厚生労働省「平成20年版働く女性の実情」のことである。
 働く女性の実情では、総務省統計局「労働力調査」によると、平成20年の女性の労働力人口は5年ぶりの減少となったが、男性の労働力人口が前年に比べ減少したことから、労働力人口総数に占める女性の割合は前年に比べ上昇し、5割を上回った、としている。
 働く女性の実情では、平成20年の女性の労働力率を年齢階級別にみると、25〜29歳(76.1%)と45〜49歳(75.5%)を左右のピークとするM字型カーブを描いているが、M字型の底は昭和54年に25〜29歳から30〜34歳に移動して以来30〜34歳となっていたが、比較可能な昭和43年以降初めて35〜39歳となった、とし、また、M字型の底の値は前年に比べ上昇した、としている。
 働く女性の実情によれば、配偶関係別に平成20年の女性の労働力率をみると、未婚者では63.4%、有配偶者では48.8%となっており、未婚者の労働力率を年齢階級別にみると、25〜29歳が最も高くなっている(91.5%)、としている。
 労働経済白書によれば、女性の結婚という段階において、どのような理由で仕事を辞めているのかをみると、辞めたいと思った又は退職した理由は、「仕事と両立する自信がなかった」という割合が高く、「無理して続けるほどの魅力ある仕事でないと思った」、「配偶者・家族の理解が得られなかった」がそれに続く、としている。
 労働経済白書によれば、女性の結婚・出産・育児という段階における継続就業意識を(独)労働政策研究・研修機構「仕事と家庭の両立支援に関わる調査」よりみると、結婚・出産後も職場を辞めずに働ける会社だと思うかについて、1週間の平均労働時間が50時間未満の女性労働者では、「そうう思う」、「ややそう思う」という認識は高いものの、1週間の平均労働時間が60時間以上の女性労働者になると、「あまりそうは思わない」、「そうは思わない」という認識が高くなってきており、仕事と家庭を両立するためには労働時間の短縮など仕事と生活の調和の取れた働き方の推進も必要であることがうかがえる、としている。
問4解答


〔問〕  職業能力開発促進法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、この問において、「法」とは「職業能力開発促進法」のことである。
 法においては、労働者の職業生活設計に配慮した職業能力の開発・向上の取組が求められているが、この「職業生活設計」とは、「労働者が、事業主とともにその長期にわたる職業生活における職業に関する目的を定めるとともに、その目的の実現を図るため、その適性、職業経験その他の実情に応じ、職業の選択、職業能力の開発及び向上のための取組その他の事項について事業主の指示に従って計画することをいう。」と定められている。
 法第10条の3及び第10条の4の規定により、事業主は、雇用する労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するために、当該労働者に、他の者の設置する施設により行われる職業に関する教育訓練を5年以内ごとに1回受けさせなければならない。
 技能検定制度は、労働者の有する技能の程度を検定し、これを公証する国家検定制度であり、法に基づき、政令で定める職種ごとに行われ、金型製作、金属プレス加工、パン製造、酒造、ウェブデザイン、キャリア・コンサルティングなどの職種がある。
 「平成21年度雇用施策実施方針の策定に関する指針(平成21年厚生労働省告示第208号)によると、「ジョブ・カード制度」とは、@解雇やリストラにより離職を余儀なくされ、自らの有する技術・技能をいかした再就職を目指す者に対し、Aきめ細かなキャリア・コンサルティングを通じた意識啓発、課題の明確化や、企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練(職業能力形成プログラム)の機会を提供し、B企業からの評価結果や職務経歴等を「ジョブ・カード」として取りまとめて就職活動などに活用させることにより、就業形態を問わず、まずは就職を実現することを目指す制度である、としている。
 法第5条によれば、厚生労働大臣は、職業能力の開発(職業訓練、職業能力検定その他法の規定による職業能力の開発及び向上)に関する基本となる「職業能力開発基本計画」を策定するものとされ、また、常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主は、雇用する労働者の職業能力の開発に関する事業内職業能力開発基本計画を作成しなければならない、とされている。
問5解答
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〔問6〕〜〔問10〕は、社会保険に関する一般常識

〔問〕  国民健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 国は、国民健康保険法第4条第1項において国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならないとされている。
 国は、国民健康保険法第4条第1項において国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならないとされている。
 保険者が共同してその目的を達成するために国民健康保険団体連合会を設立しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 国民健康保険診療報酬審査委員会は、厚生労働大臣が定めるそれぞれ同数の保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員をもって組織する。
 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他国民健康保険法の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。国民健康保険審査会は、各都道府県に設置する。
問6解答


〔問〕  社会保険審査官及び社会保険審査会法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 健康保険法第189条、船員保険法第63条、厚生年金保険法第90条及び石炭鉱業年金基金法第33条第1項並びに国民年金法第101条等の規定による審査請求の事件を取り扱わせるため、各地方社会保険事務局に社会保険審査官が置かれる。
 社会保険審査官は、厚生労働省の職員のうちから厚生労働大臣が命ずる。
 健康保険法第189条第1項、船員保険法第63条第1項、厚生年金保険法第90条第1項若しくは石炭鉱業年金基金法第33条第1項並びに国民年金法第101条第1項の規定による再審査請求は、社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して90日以内にしなければならない。
 社会保険審査会の会務の処理(再審査請求又は審査請求の事件の取扱いを除く。)は、委員長及び委員の全員の会議の議決によるものとされている。
 社会保険審査会は、厚生労働大臣の所轄のもとに置かれ、委員長および委員5人をもって組織される。社会保険審査会の委員長及び委員は、衆参両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命する。
問7解答


〔問〕  次の記述のうち、正しいものはどれか。
 厚生年金保険法によると、厚生年金基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、社会保険庁長官が裁定する。
 確定拠出年金法によると、企業型年金では、事業主は、毎月の事業主掛金を翌月末日までに資産管理機関に納付するものとされている。
 確定拠出年金法によると、個人型年金とは、企業年金連合会が同法第第3章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
 確定給付企業年金法によると、基金型企業年金は、老齢給付金及び障害給付金の2種の給付を行うことが基本とされている。
 確定給付企業年金法によると、老齢給付金の受給権は、老齢給付金の支給期間が終了したときにのみ消滅する。
問8解答


〔問〕  高齢者の医療の確保に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 厚生労働大臣は、医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化に関する施策についての基本的な方針である医療費適正化基本方針を定めるとともに、5年ごとに5年を1期として、医療費適正化を推進するための全国医療費適正化計画を定めるものとされている。
 都道府県は、医療費適正化基本方針に即して5年ごとに5年を1期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための都道府県医療費適正化計画を定めるものとされている。
 都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画を作成した年度の翌々年度において、当該計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表するものとされている。
 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、全国医療費適正化計画の作成年度の翌々年度において、当該計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表するものとされている。
 都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌々年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、当該計画の実績に関する評価を行うものとされている。
問9解答


〔問10〕  介護保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 市町村又は特別区は、介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるために保険料を徴収しなければならない。当該保険料は、第1号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によって課する。
 介護保険法によると、保険料の賦課期日は、当該年度の初日とされている。
 偽りその他不正な行為により保険給付を受けた者があるときは、市町村又は特別区は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
 保険給付に関する処分又は保険料その他介護保険法の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、当該処分をした市町村又は特別区をその区域に含む都道府県に設置されている介護認定審査会に審査請求をすることができる。
 保険料その他介護保険法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされている。
問10解答

41一般常識

合格基準点:4点以上(総得点44点以上)


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