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第50回(平成30年)試験問題から   【択一式問題】
[リモコン]

 50択常識
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
〔問〕  我が国の労働災害発生状況に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
     なお、本問は、「平成28年労働災害発生状況の分析等(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
 労働災害による死亡者数は、長期的に減少傾向にあり、死亡災害は平成28年に過去最少となった。
 第12次労働災害防止計画(平成25〜29年度)において、死亡災害と同様の災害減少目標を掲げている休業4日以上の死傷災害は、平成25年以降、着実に減少している。
 陸上貨物運送事業における死傷災害(休業4日以上)の事故の型別では、「交通事故(道路)」が最も多く、「墜落・転落」がそれに続いてい。
 製造業における死傷災害(休業4日以上)の事故の型別では、「墜落・転落」が最も多く、「はさまれ・巻き込まれ」がそれに続いている。
 第三次産業に属する小売業、社会福祉施設、飲食店における死傷災害(休業4日以上)の事故の型別では、いずれの業種においても「転倒」が最も多くなっている。
 解答  A

問2
〔問〕  我が国の家計所得や賃金、雇用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
     なお、本問は、「平成29年版厚生労働白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。
A  1990年代半ばから2010年代半ばにかけての全世帯の1世帯当たり平均総所得金額減少傾向の背景には、高齢者世帯割合の急激な増加がある。
B  「国民生活基礎調査(厚生労働省)」によると、年齢別の相対的貧困率は、17歳以下の相対的貧困率(子どもの貧困率)及び18〜64歳の相対的貧困率については1985年以降上昇傾向にあったが、直近ではいずれも低下している。
C  非正規雇用労働者が雇用労働者に占める比率を男女別・年齢階級別にみて1996年と2006年を比較すると、男女ともに各年齢層において非正規雇用労働者比率は上昇したが、2006年と2016年の比較においては、女性の高齢層(65歳以上)を除きほぼ同程度となっており、男性の15〜24歳、女性の15〜44歳層ではむしろ若干の低下が見られる。
D  2016年の労働者一人当たりの月額賃金については、一般労働者は、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業など、非正規雇用労働者割合が高い産業において低くなっており、産業間での賃金格差が大きいが、パートタイム労働者については産業間で大きな格差は見られない。
E  過去10年にわたってパートタイム労働者の時給が上昇傾向にあるため、パートタイム労働者が1か月間に受け取る賃金額も着実に上昇している。
 解答  E

問3
〔問〕  労働契約法等に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
 いわゆる採用内定の制度は、多くの企業でその実態が類似しているため、いわゆる新卒学生に対する採用内定の法的性質については、当該企業における採用内定の事実関係にかかわらず、新卒学生の就労の始期を大学卒業直後とし、それまでの間、内定企業の作成した誓約書に記載されている採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立しているものとするのが、最高裁判所の判例である。
 使用者は、労働契約に特段の根拠規定がなくとも、労働契約上の付随的義務として当然に、安全配慮義務を負う。
 就業規則の変更による労働条件の変更が労働者の不利益となるため、労働者が、当該変更によって労働契約の内容である労働条件が変更後の就業規則に定めるところによるものとはされないことを主張した場合、就業規則の変更が労働契約法第10条本文の「合理的」なものであるという評価を基礎付ける事実についての主張立証責任は、使用者側か負う。
 「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことをもって足り、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていない場合でも、労働基準法に定める罰則の対象となるのは格別、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずることに変わりはない。」とするのが、最高裁判所の判例である。
 労働契約法第18条第1項の「同一の使用者」は、労働契約を締結する法律上の主体が同一であることをいうものであり、したがって、事業場単位ではなく、労働契約締結の法律上の主体が法人であれば法人単位で、個人事業主であれば当該個人事業主単位で判断される。
 A (アとウ)  B (イとエ)  C (ウとオ)
 D (アとエ)  E (イとオ)  
 解答  D

問4
〔問〕  労働関係法規に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A  ある企業の全工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の者が一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場において、その労働協約の適用を受ける者の数が当該工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合、当該工場事業場においては、当該労働協約は一般的拘束力をもたない。
B  派遣先は、当該派遣先の同一の事業所その他派遣就業の場所において派遣元事業主から1年以上継続して同一の派遣労働者を受け入れている場合に、当該事業所その他派遣就業の場所において労働に従事する通常の労働者の募集を行うときは、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該派遣労働者に周知しなければならない。
C  過労死等防止対策推進法は、国及び地方公共団体以外の事業主であって、常時雇用する労働者の数が100人を超える者は、毎年、当該事業主が「過労死等の防止のために講じた対策の状況に関する報告書を提出しなければならない。」と定めている。
D  労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
E  事業主は、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。
 解答  B

問5
〔問〕  社会保険労務士法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 社会保険労務士法第14条の3に規定する社会保険労務士名簿は、都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会ごとに備えなければならず、その名簿の登録は、都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会ごとに行う。
 社会保険労務士となる資格を有する者が、社会保険労務士となるために社会保険労務士法第14条の5の規定により登録の申請をした場合、申請を行った日から3月を経過してもなんらの処分がなされない場合には、当該登録を拒否されたものとして、厚生労働大臣に対して審査請求をすることができる。
 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、重大な非行の事実を確認した時から3月以内に失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分)をしなければならない。
 社会保険労務士法は、「社会保険労務士法人は、総社員の同意によってのみ、定款の変更をすることができる。」と定めており、当該法人が定款にこれとは異なる定款の変更基準を定めた場合には、その定めは無効とされる。
 社会保険労務士法第2条の2第1項の規定により社会保険労務士が処理することができる事務について、社会保険労務士法人が、その社員である社会保険労務士に行わせる事務の委託を受ける場合、当該社会保険労務士法人がその社員のうちから補佐人を選任しなければならない。
 解答  E

50一般常識

〔問6〕〜〔問10〕は、社会保険に関する一般常識

問6
〔問〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 健康保険法では、健康保険組合の組合員でない被保険者に係る健康保険事業を行うため、全国健康保険協会を設けるが、その主たる事務所は東京都に、従たる事務所は各都道府県に設置すると規定している。
B  船員保険法では、船員保険は、健康保険法による全国健康保険協会が管掌し、船員保険事業に関して船舶所有者及び被保険者(その意見を代表する者を含む。)の意見を聴き、当該事業の円滑な運営を図るため、全国健康保険協会に船員保険協議会を置くと規定している。
C  介護保険法では、訪問看護とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいうと規定している。
 高齢者医療確保法では、社会保険診療報酬支払基金は、高齢者医療制度関係業務に関し、当該業務の開始前に、業務方法書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならず、これを変更するときも同様とすると規定している。
E  児童手当法では、児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が減額することとなるに至った場合における児童手当の額の改定は、その事由が生じた日の属する月から行うと規定している。
 解答  E

問7
〔問〕  高齢者医療確保法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A  都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、5年ごとに、5年を1期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための計画(以下本問において「都道府県医療費適正化計画」という。)を定めるものとする。
B  都道府県は、都道府県医療費適正化計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、厚生労働大臣に提出するものとする。
C  偽りその他不正の行為によって後期高齢者医療給付を受けた者があるときは、都道府県は、その者からその後期高齢者医療給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
D  保険医療機関等は療養の給付に関し、保険医等は後期高齢者医療の診療又は調剤に関し、都道府県知事から指導を受けることはない。
E  療養の給付の取扱い及び担当に関する基準並びに療養の給付に要する費用の額の算定に関する基準については、厚生労働大臣が後期高齢者医療広域連合の意見を聴いて定めるものとする。
 解答  B

問8
〔問〕  船員保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 船員保険法第2条第2項に規定する疾病任意継続被保険者となるための申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならないとされている。ただし、全国健康保険協会(以下本問において「協会」という。)は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができるとされている。
 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、第1級から第31級までの等級区分に応じた額によって定めることとされている。
 一般保険料率は、疾病保険料率、災害保健福祉保険料率及び介護保険料率を合算して得た率とされている。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である被保険者及び独立行政法人等職員被保険者にあっては、一般保険料率は、災害保健福祉保険料率のみとされている。
 疾病保険料率は、1000分の10から1000分の35までの範囲内において、協会が決定するものとされている。
 災害保健福祉保険料率は、1000分の40から1000分の130までの範囲内において、協会が決定するものとされている。
 解答  A

問9
〔問〕  社会保険制度の保険料等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 国民健康保険法施行令第29条の7の規定では、市町村が徴収する世帯主に対する国民健康保険料の賦課額は、世帯主の世帯に属する被保険者につき算定した基礎賦課額、前期高齢者納付金等賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額の合算額とされている。
 厚生年金保険法では、第1号厚生年金被保険者に係る保険料率は、平成16年10月分から毎年0.354 %ずつ引き上げられ、平成29年9月分以後は、19.3 %で固定されている。
 高齢者医療確保法では、老齢基礎年金の年間の給付額が18万円以上である場合、後期高齢者医療制度の被保険者が支払う後期高齢者医療制度の保険料は、年金からの特別徴収の方法によらなければならず、口座振替の方法により保険料を納付することは一切できない。
 健康保険法では、健康保険組合は、規約で定めるところにより、介護保険第2号被保険者である被保険者以外の被保険者(介護保険第2号被保険者である被扶養者があるものに限る。)に関する保険料額を一般保険料額と介護保険料額との合算額とすることができるとされている。
 国民年金第1号被保険者、健康保険法に規定する任意継続被保険者、厚生年金保険法に規定する適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者及び船員保険法に規定する疾病任意継続被保険者は、被保険者自身が保険料を全額納付する義務を負い、毎月の保険料は各月の納付期限までに納付しなければならないが、いずれの被保険者も申出により一定期間の保険料を前納することができる。
 解答  D

問10
〔問10〕  次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、平成29年版厚生労働白書を参照している。
 我が国の国民負担率(社会保障負担と租税負担の合計額の国民所得比)は、昭和45年度の24.3 %から平成27年度の42.8 %へと45年間で約1.8倍となっている。
 第190回国会において成立した「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」では、私的年金の普及・拡大を図るため、個人型確定拠出年金の加入者範囲を基本的に20歳以上60歳未満の全ての方に拡大した。
 年金額については、マクロ経済スライドによる調整をできるだけ早期に実施するために、現在の年金受給者に配慮する観点から、年金の名目額が前年度を下回らない措置(名目下限措置)は維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で、前年度までの未調整分(キャリーオーバー分)を含めて調整することとした。この調整ルールの見直しは、平成30年4月に施行された。
 年金積立金の運用状況については、年金積立金管理運用独立行政法人が半期に1度公表を行っている。厚生労働大臣が年金積立金の自主運用を開始した平成11年度から平成27年度までの運用実績の累積収益額は、約56.5兆円となっており、収益率でみると名目賃金上昇率を平均で約3.1 %下回っている。
 国民健康保険制度の安定化を図るため、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が平成27年5月に成立した。改正の内容の1つの柱が、国民健康保険への財政支援の拡充等により、財政基盤を強化することであり、もう1つの柱は、都道府県が安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の国民健康保険の運営に中心的な役割を担うことである。
 解答  D

45択一式労働基準法及び労働安全衛生法
50一般常識

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