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第50回(平成30年)試験問題から   【択一式問題】
[リモコン]

 50択労災
災保険法及び徴収法
〔問〕  厚生労働省労働基準局長通知(「心理的負荷による精神障害の認定基準について」平成23年12月26日付け基発1226第1号。以下「認定基準」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
     なお、本問において「対象疾病」とは、「認定基準で対象とする疾病」のことである。
 認定基準においては、次の@、A、Bのいずれの要件も満たす対象疾病は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に規定する精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病に該当する業務上の疾病として取り扱うこととされている。
  @ 対象疾病を発病していること。
  A 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
  B 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。
 認定基準において、業務による強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかという観点から評価されるものであるとされている。
 認定基準においては、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、精神障害発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によるどのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであったのかを具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度はどの程度であるかについて、「業務による心理的負荷評価表」を指標として「強」、「弱」の二段階に区分することとされている。
 認定基準においては、「極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、発病日から起算した直前の1か月間におおむね120時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。」とされている。
 認定基準においては、「いじめやセクシュアルハラスメントのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前にそれが開始されている場合でも、発病前6か月以内の行為のみを評価の対象とする。」とされている。
 解答  A  平23基発1226第1号

問2
〔問〕  業務災害に係る保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A  傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年を経過した日において次の@、Aのいずれにも該当するとき、又は同日後次の@、Aのいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
  @ 当該負傷又は疾病が治っていないこと。
  A 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
B  介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われるものであり、病院又は診療所に入院している間も行われる。。
C  介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
D  療養補償給付としての療養の給付の範囲には、病院又は診療所における療養に伴う世話その他の看護のうち、政府が必要と認めるものは含まれるが、居宅における療養に伴う世話その他の看護が含まれることはない。
E  療養補償給付たる療養の費用の支給を受けようとする者は、@労働者の氏名、生年月日及び住所、A事業の名称及び事業場の所在地、B負傷又は発病の年月日、C災害の原因及び発生状況、D傷病名及び療養の内容、E療養に要した費用の額、F療養の給付を受けなかった理由を記載した請求書を、所轄労働基準監督署長に提出しなければならないが、そのうちB及びEについて事業主の証明を受けなければならない。
 解答  C  法19条の2

問3
〔問〕  労災保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A  市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市においては、区長又は総合区長とする。)は、行政庁又は保険給付を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、保険給付を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
B  行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者(労災保険法第34条第1項第1号、第35条第1項第3号又は第36条第1項第1号の規定により当該事業に使用される労働者とみなされる者を含む。)又は保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出又は出頭を命ずることができる。
C  行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣先の事業主に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
D  行政庁は、労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができ、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
E  行政庁は、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告を命ずることはできない。
 解答  E  法49条1項

問4
〔問〕 労災保険に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
 労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき遺族補償年金でまだその者に支給しなかったものがあるときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その未支給の遺族補償年金の支給を請求することができる。
 労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者が死亡前にその遺族補償年金を請求していなかったときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その遺族補償年金を請求することができる。
 労災保険法に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡し、その者が死亡前にその保険給付を請求していなかった場合、未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。
 労災保険法又は同法に基づく政令及び厚生労働省令に規定する期間の計算については、同省令において規定された方法によることとされており、民法の期間の計算に関する規定は準用されない。
 試みの使用期間中の者にも労災保険法は適用される。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
 解答  A
○  法11条1項
○  法11条2項
○  法11条4項
×  法43条
○  法3条1項、労基法9条

問5
〔問〕  休業補償給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働できないために賃金を受けない日の4日目から支給されるが、休業の初日から第3日目までの期間は、事業主が労働基準法第76条に基づく休業補償を行わなければならない。
 業務上の傷病により、所定労働時間の全部労働不能で半年間休業している労働者に対して、事業主が休業中に平均賃金の6割以上の金額を支払っている場合には、休業補償給付は支給されない。
 休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。
 会社の所定休日においては、労働契約上賃金請求権が生じないので、業務上の傷病による療養中であっても、当該所定休日分の休業補償給付は支給されない。
 業務上の傷病により、所定労働時間の一部分についてのみ労働する日の休業補償給付の額は、療養開始後1年6か月未満の場合には、休業給付基礎日額から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60に相当する額である。
 解答  D  法14条1項

50労災保険法及び徴収法

問6
〔問〕  障害補償給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A  厚生労働省令で定める障害等級表に掲げるもの以外の身体障害は、その障害の程度に応じて、同表に掲げる身体障害に準じて障害等級を定めることとされている。
B  障害補償一時金を受けた者については、障害の程度が自然的経過により増進しても、障害補償給付の変更が問題となることはない。
C  既に業務災害による障害補償年金を受ける者が、新たな業務災害により同一の部位について身体障害の程度を加重した場合には、現在の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額から、既存の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額を差し引いた額の障害補償年金が支給され、その差額の年金とともに、既存の障害に係る従前の障害補償年金も継続して支給される。
D  同一の負傷又は疾病が再発した場合には、その療養の期間中は、障害補償年金の受給権は消滅する。
E  障害等級表に該当する障害が2 以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めに従い繰り上げた障害等級による。具体例は次の通りである。
 @ 第5級、第7級、第9級の3障害がある場合     第3級
 A 第4級、第5級の2障害がある場合          第2級
 B 第8級、第9級の2障害がある場合          第7級
 解答  E  則14条3項

問7
〔問〕  労災保険法の二次健康診断等給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A  一次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる場合には、二次健康診断等給付は行われない。
B  特定保健指導は、医師または歯科医師による面接によって行われ、栄養指導もその内容に含まれる。
C  二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導は行われない。
D  二次健康診断を受けた労働者から、当該二次健康診断の実施の日から3か月以内にその結果を証明する書面の提出を受けた事業者は、二次健康診断の結果に基づき、当該健康診断項目に異常の所見があると診断された労働者につき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見をきかなければならない。
E  二次健康診断等給付を受けようとする者は、所定の事項を記載した請求書をその二次健康診断等給付を受けようとする健診給付病院等を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
 解答  B  法26条2項2号、平13.3.30基発233

〔問8〕〜〔問10〕は、徴収法
問8
〔問〕  労働保険関係の一括に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、都道府県労働局長が指定する一の事業(以下本問において「指定事業」という。)以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
 継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、被一括事業の労働者に係る労災保険給付(二次健康診断等給付を除く。)の事務や雇用保険の被保険者資格の確認の事務等は、その労働者の所属する被一括事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長がそれぞれの事務所掌に応じて行う。
 一括扱いの認可を受けた事業主が新たに事業を開始し、その事業をも一括扱いに含めることを希望する場合の継続事業一括扱いの申請は、当該事業に係る所轄都道府県労働局長に対して行う。
 2以上の有期事業が労働保険徴収法による有期事業の一括の対象になると、それらの事業が一括されて一の事業として労働保険徴収法が適用され、原則としてその全体が継続事業として取り扱われることになる。
 一括されている継続事業のうち指定事業以外の事業の全部又は一部の事業の種類が変更されたときは、事業の種類が変更された事業について保険関係成立の手続をとらせ、指定事業を含む残りの事業については、指定事業の労働者数又は賃金総額の減少とみなして確定保険料報告の際に精算することとされている。
 解答  C  昭40.7.31基発901

問9
〔問〕  労働保険徴収法第17条に規定する追加徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
 政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、法律上、当該保険料の額について追加徴収が行われることとなっている。
 政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行ったときは、法律上、引き下げられた保険料の額に相当する額の保険料の額について、未納の労働保険料その他この法律による徴収金の有無にかかわらず還付が行われることとなっている。
 追加徴収される概算保険料については、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の額の通知を行うが、その納付は納付書により行われる。
 追加徴収される概算保険料については、延納をすることはできない。
 追加徴収される増加概算保険料については、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
 解答  C
○  法17条1項
×
○  則26条、38条4項・5項
×  則31条
×

問10
〔問10〕  労働保険料(印紙保険料を除く。以下本問において同じ。)の口座振替に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 口座振替により納付することができる労働保険料は、納付書により行われる概算保険料(延納する場合を除く。)と確定保険料である。
 口座振替による労働保険料の納付が承認された事業主は、概算保険料申告書及び確定保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出するが、この場合には労働基準監督署を経由して提出することはできない。
 労働保険徴収法第16条の規定による増加概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象となる。
 労働保険料の口座振替の承認は、労働保険料の納付が確実と認められれば、法律上、必ず行われることとなっている。
 労働保険料の追徴金の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
 解答  E  則38条の4

45択一式労働基準法及び労働安全衛生法
50労災保険法及び徴収法

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